「ちょっと目を離した隙に、子どもが大きな怪我をしてしまったらどうしよう」
「アレルギーの誤食を起こしてしまったら…と考えると、給食の時間が怖くて仕方ない」
保育士の仕事は、他人の大切な命を預かるという、とてつもなく責任の重い仕事です。

特に真面目で責任感が強い先生ほど、「絶対に失敗は許されない」という強迫観念に近いプレッシャーに常に晒され、精神的に限界ギリギリの状態で働いています。
命を守るための緊張感はプロとして不可欠ですが、その重圧に押しつぶされてあなた自身の心が壊れてしまっては元も子もありません。この記事では、命を預かるプレッシャーと上手く付き合い、心を軽くするための思考法をご紹介します。

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  • プレッシャーを感じるのは、あなたが「優秀で責任感の強い証拠」である
  • 「100%完璧な安全」はこの世に存在しない。「減点方式」をやめる
  • ヒヤリハットは個人のミスではなく「組織の財産」。積極的に共有する
  • 一人の目で限界があるなら、必ず「複数の目(システム)」でカバーする

プレッシャーは「あなたが優秀な証拠」

まず大前提として、「プレッシャーを感じて怖い」と思っている自分自身を、決して責めないでください。
「こんなに怖がりでビクビクしている私は、保育士に向いていないんじゃないか」と落ち込む必要は全くありません。

怖がれる人だけが、命を守れる

実は、保育現場において一番危険なのは、「プレッシャーを全く感じない、根拠のない自信に満ちた先生」です。「私は今まで事故を起こしたことがないから大丈夫」「ちょっと目を離しても平気」という驕りや油断こそが、取り返しのつかない重大事故を引き起こします。

「怖い」と感じるのは、あなたが「子どもにどんな危険が起こり得るか」を常に高く予測し、最悪の事態を想像できる「優秀なリスク管理能力」を持っている証拠なのです。プレッシャーを感じている自分を「私は命を大切に思っている、立派な保育士だ」とまずは肯定してあげてください。

「100%の安全」は存在しないと割り切る

どれだけ先生が目を光らせていても、子どもは予測不可能な動きをする生き物です。転んで擦り傷を作ったり、お友達とぶつかってたんこぶを作ったりすることは、成長の過程でどうしても避けられないことです。
「絶対に怪我をさせてはいけない」という100点満点(減点方式)のプレッシャーを自分に課し続けると、心はすぐにパンクしてしまいます。

もちろん、命に関わる大きな事故(誤嚥、プールでの溺水、園外への飛び出しなど)は絶対に防がなければなりません。しかし、それ以外の「子どもの成長に伴う小さな怪我」に対しては、「ある程度は仕方がないもの」として割り切る勇気を持つことも、プレッシャーから自分を解放するためには必要です。

プレッシャーを「システム」で分散する

命を預かる重圧を一人で背負い込むのは不可能です。
プレッシャーを和らげるためには、個人の「注意力」に頼るのではなく、チームの「システム(仕組み)」に頼ることが重要です。

ヒヤリハットを「宝物」として共有する

「ヒヤリハット(重大な事故には至らなかったが、ヒヤリとした、ハッとした出来事)」が起きた時、「怒られるかもしれない」と隠してしまうのは絶対にやってはいけません。
自分が経験したヒヤリハットは、他の先生も同じように経験する可能性が高い「危険の種」です。

「今日、お散歩の時に〇〇君が急に車道に飛び出しそうになって、ヒヤリとしました」とすぐにクラスの先生や全体会議で共有(エスカレーション)してください。
それを聞いたチーム全体で「じゃあ、明日からはあの道を通る時は、必ず先生が車道側に立とう」と対策(システム)を作ることができます。ヒヤリハットを隠さずに共有できる風通しの良い組織こそが、先生一人ひとりのプレッシャーを一番軽くしてくれる最高の防具になります。

「ダブルチェック」を必ずお願いする

特にアレルギー対応や投薬、プール遊びの監視など、絶対にミスの許されない業務を行う時は、絶対に一人で完結させない「ダブルチェック」の仕組みを徹底してください。
「私がちゃんと確認したから大丈夫」と過信せず、必ず別の先生に「〇〇ちゃんのアレルギー食、これで間違いないか一緒に確認してもらえますか?」と声をかけます。

自分以外の「もう一つの目」が入るだけで、「もし私が見落としても、あの先生が気づいてくれるかもしれない」という安心感が生まれ、心にかかる重圧は一気に半分以下になります。「一人でやらないこと」が、一番確実な安全対策です。

まとめ

保育士という仕事は、本当に尊く、そして過酷な仕事です。
あなたが毎日感じているその重圧は、あなたが子どもたちに真剣に向き合い、命を心の底から大切に思っているからこそ生まれるものです。

「一人で完璧に守らなきゃ」という思い込みを手放し、チームの力を信じて頼ってください。
そして、無事に1日の保育が終わったら、「今日も全員、生きてお家に帰せた!私ってすごい!」と、自分自身をこれでもかというくらい大袈裟に褒めてあげてくださいね。