「先輩の機嫌が良い日と悪い日の差が激しすぎて、毎朝出勤するたびに胃が痛くなる」
「質問しても『前に言ったよね?』と冷たくあしらわれ、何も聞けなくなってしまった」
保育士の離職理由として常に上位に挙がるのが、この「職場の人間関係(特に先輩との関係)」です。

チームで動く保育現場において、一緒に働く先輩が威圧的で怖い存在であることは、新人の先生にとって最大のストレスになります。
「自分が仕事ができないから怒られるんだ」と自分を責めるのは今日でやめましょう。この記事では、理不尽に怖い先輩から自分の心を守り、職場で上手に立ち回るための具体的な防衛術をご紹介します。

  • 先輩が怖いのは「相手の感情コントロール能力の低さ」が原因。あなたのせいではない
  • 機嫌が悪い時は「嵐」と同じ。無理に機嫌を取ろうとせず、スッと離れる
  • 「教えてください」というスタンスを崩さず、先輩の自尊心を満たす言葉を使う
  • 限界を感じたら、主任や園長に「配置換え」を相談するのも立派な解決策

怖い先輩の「心理」を客観的に分析する

なぜその先輩は、あなたに対して威圧的で怖い態度をとるのでしょうか。
「私が何度もミスをするから」と思うかもしれませんが、優秀な先輩であれば、後輩のミスに対して感情的に怒るのではなく、再発防止のために「建設的な指導」をするはずです。

怒りは「先輩自身の余裕のなさ」の表れ

先輩が感情的に怒鳴ったり、冷たい態度をとったりする最大の原因は、「先輩自身が仕事に追われていて、心に全く余裕がないから」です。
慢性的な人手不足や、大量の書類仕事、あるいは先輩自身のプライベートな悩みが原因で、いっぱいいっぱいになっているストレスの矛先(八つ当たり)が、一番立場の弱い後輩であるあなたに向いているだけなのです。

「この人は、自分の感情をコントロールできないほど切羽詰まっている、未熟で可哀想な人なんだな」と、一歩引いた客観的な視点を持ってみてください。先輩を「絶対的な指導者」ではなく「余裕のない一人の人間」として見ることで、恐怖心はかなり薄らぎます。

「機嫌の悪さ」は自分のせいだと思わない

「今日、先輩の機嫌が悪いのは、さっき私の挨拶の声が小さかったからかな…」と、何でも自分のせいだと結びつけてしまう(過剰な自責思考)のはやめましょう。
先輩の機嫌が悪いのは、単に「お腹が空いているから」かもしれませんし、「家で夫婦喧嘩をしたから」かもしれません。

他人の機嫌の悪さは、あなたにはどうすることもできない「自然災害(嵐)」のようなものです。嵐が来ている時に無理に外に出て「どうか静まってください」とお願いする人はいませんよね。先輩の機嫌が悪いと感じたら、「あ、今は嵐が来ているな」と心の中でつぶやき、物理的な距離を取って嵐が過ぎ去るのを静かに待つのが一番の正解です。

ターゲットにならないための「コミュニケーション術」

とはいえ、仕事である以上、怖い先輩とも最低限のコミュニケーションは取らなければなりません。
これ以上関係を悪化させず、無難にやり過ごすためのテクニックを身につけましょう。

報告・連絡・相談は「結論から短く」

心に余裕がない先輩が一番イライラするのは、後輩が「もじもじして何を言いたいのか分からない」時です。
「あの…すみません、〇〇ちゃんの件なんですけど、お母さんが朝こう言っていて、それで私もどうしようか迷ってしまって…」とダラダラ話すのは絶対にNGです。

怖い先輩に話しかける時は、必ず『結論から、短く、ハッキリと』伝えることを意識してください。
「先輩、今1分だけよろしいですか?(許可を取る) 〇〇ちゃんの〇〇の件でご相談です(結論)。〇〇という対応で進めてもよろしいでしょうか?(クローズドな質問)」
このように、先輩が「はい」か「いいえ」で答えられるように簡潔にまとめるだけで、先輩のイライラは劇的に減り、「この子は要点だけをまとめて話せる子だ」と評価されるようになります。

「褒め言葉」と「感謝」は武器になる

どれだけ怖い先輩でも、人である以上「認められたい、尊敬されたい」という欲求(自尊心)を持っています。
そこを逆手にとって、先輩の自尊心を意図的に満たしてあげることで、あなたへの攻撃を緩めさせる作戦です。

「先ほどの先輩の手遊び、子どもたちがすごく喜んでいて勉強になりました!」
「忙しい時にフォローしていただき、本当にありがとうございました!」
このように、少し大袈裟なくらいに先輩を立てて感謝の言葉を伝えてみてください。自分のことを「尊敬してくれる可愛い後輩」に対して、理不尽に冷たく当たる人間はいません。「先輩という猛獣を、言葉で手懐けている」くらいのゲーム感覚で接することができれば、あなたの勝ちです。

限界なら「逃げる準備」をためらわない

スルースキルや言葉のテクニックを駆使しても、先輩からのパワハラやいじめがエスカレートし、毎朝涙が出るほど辛い場合は、これ以上あなたの心をすり減らしてはいけません。

主任や園長への「SOS」と転職のカード

まずは、主任や園長に「〇〇先輩の指導が厳しく、萎縮してしまって本来の保育ができていません。可能であれば来年度からクラスを離して(ペアを変えて)いただけないでしょうか」と正直に相談してください。
まともな園であれば、職員を潰さないように配慮してくれます。

しかし、園長に相談しても「あなたがもっと頑張りなさい」と突き放されたり、先輩の態度がさらに悪化したりするようであれば、その園は組織として完全に腐っています。
あなたの素敵な笑顔と保育への情熱を、そんなブラックな職場で枯らしてしまう必要はありません。迷わず退職の準備を進め、人間関係の風通しが良いホワイト園へ転職するという「逃げるカード」を堂々と切ってくださいね。

まとめ

怖い先輩の顔色をうかがって、ビクビクしながら保育をするのは本当に辛いですよね。
でも、一番大切なのは「先輩の機嫌を取ること」ではなく、「あなたが笑顔で子どもたちと接すること」です。

「先輩の機嫌は先輩のもの、私の機嫌は私のもの」としっかりと境界線を引き、自分自身の心を守ることを何よりも最優先にしてくださいね。